章 6

「もう、いつもそんなに慌てて。目も悪いんだから、もっと気をつけないと。行ってらっしゃい、道中気をつけてね」

義姉は優しく私に言い聞かせながら、親しげに私の乱れた服を整えてくれた。

胸の中が温かくなり、兄貴は本当に幸せ者だなと思った。こんな素晴らしい嫁さんをもらえるなんて。

「義姉さん、ありがとう……」私はほとんど詰まった声で言った。

「いいのよ、早く行きなさい」義姉は笑いながら私の肩を軽く叩くと、すぐにまた腰を屈めて床を拭き始めた。私の目の前でその姿が揺れている。

私はそれ以上見つめることができず、急いで家を出た。

義姉と一緒にいればいるほど、胸が苦しくなる。まるで何千匹もの蟻に体を噛まれてい...

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