第121章 彼女だけが見抜ける

「た、助け……んぐっ!んぐぐぐっ!」

小林穂乃香の姿を目にした瞬間、葛城美華の目から涙が溢れ出た。やけっぱちになって相打ちも覚悟したが、いざ死を目の前にすると、自分が生きたいと願っていることに気づいたのだ。

小林穂乃香は少しずつ苦しめてやると言っていたではないか。自分が死んでしまったら、どうやって復讐するというのか?

早く助けて、助けて!

二人のボディガードは硬直した。もちろん彼らは小林穂乃香を知っている。藤堂社長の若様方だ!普段の一挙手一投足が、藤堂社長の心を左右する存在。

二人は小林穂乃香を止める勇気もなく、彼女が玄関を通り抜け、リビングへ入っていくのをなすがままに見送った。

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