第20章 隠された過去

依然として黙り込む藤堂彰を見て、小林穂乃香は呆れて笑ってしまったが、同時にどうしようもない悔しさが込み上げてきた。

「へえ、いい度胸じゃない。今度は私に冷たい態度で接するってわけ？」

小林穂乃香の瞳が潤むのを見て、藤堂彰は途端に慌てふためき、急いで言った。

「穂乃香、あの時はそれどころじゃなかったんだ」

「どうしてそれどころじゃないの？子供より大事なことって何よ。ほんの少し気にかける時間すらなかったっていうの？」

あの時、年長者が一人でもいて仲裁してくれていれば、今日のパーティーで蓮と藤堂朔はあんな風にはならなかったはずだ。本来なら、二人は互いに思いやり、世話を焼き合う親しい兄妹である...