第22章 藤堂グループの査察!

「どうして急に藤堂グループへ?」

息子の提案に、小林穂乃香は少々戸惑いながらも「いいわよ」と答えた。

藤堂蓮は続けて言った。「父さんにも飲み物を何か」

小林穂乃香の胸に喜びが込み上げる。息子は父親との関係を和らげようとしているのだろうか?

「あなたのお父さんには連絡しておく?」

藤堂蓮は軽く笑った。「いや、サプライズにしよう」

小林穂乃香に異論があるはずもなく、むしろ期待で胸が膨らんでいた。藤堂ビルに行くのは、これが初めてなのだ。

「行ったことないのか?」今度は藤堂蓮が驚く番だった。

二人の会話の間、母子関係についての話題は避けられた。藤堂蓮は彼女を「母さん」とは呼ばず、小林穂乃香もその点を気...

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