第247章 大胆だ!

「もう何年も一人で慣れちゃったし、今更こんなこと、なんてことないわ」

その時、授業開始のチャイムが鳴り響いた。

朔は穂乃香に別れを告げることも、彼女の方を見ることもなく、くるりと背を向けて歩き去った。

教室へ戻る道中、人気のない場所で、朔は壁に向かってぐいっと二度、涙を拭った。

なんだ、自分はこんなにも長い間、母親がいないことに不満を抱いていたのか。

母親を恋しく思わない子供なんていない。

一人も。

校舎の四階、窓際で望は木陰にいる朔と穂乃香を見つめ、眉をきつく顰めていた。

はっきり見えない!

スマートフォンのカメラ機能でズームを重ね、ようやく見えたのは朔が背を向けて立ち去る...

ログインして続きを読む