第249章 怒らない

朔と望の性格からして、運転手が車を降りた後、二人も状況を見に行くはずだった。

だが今回、二人は動かなかった。

姉弟は顔を見合わせる。おかしい!

後ろの護衛車がついてきていない。何らかのアクシデントで足止めされたに違いない。そして自分たちの車は事故に遭った。

先ほど朔は衝突の全過程を見ていた。バイクは右にハンドルを切れば避けられたはずなのに! わざわざまた戻ってきた!

衝突と逆方向に進もうとするのは本能。再びハンドルを切ってぶつかってくるのは、陰謀だ!

姉弟は車を降りないばかりか、前に身を乗り出して、センターコンソールのパネルを操作し車をロックした。

「苦しい、めまいがする。お願い...

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