第250章 母親の身元を知りたい

藤堂邸内では、使用人たちは皆自室へと引き下がっていた。

朔と望がリビングに入ると、そこには彰と穂乃香の姿しかなく、執事さえも見当たらなかった。

「おかえり。さあ、まずは食事にしましょう」

穂乃香は立ち上がってキッチンへ料理を取りに行き、二人の子供たちとは視線を合わせなかった。

彰はいつものように無表情だった。

だがそれは以前の話。穂乃香が戻ってきてからというもの、家での彼の表情は常に穏やかだったのだ。

望の胸中は不安でいっぱいだった。家中に漂う、嵐の前の静けさのような空気が彼に重くのしかかる。

朔はキッチンへとついて行った。母がなぜ何も告げずに長年姿を消し、そして今、なぜ突然現れ...

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