第258章 身元を証明する

「漁夫の利、ってやつね!」

こんなにも緊張感溢れる激しい局面では、彼女が手を出す必要など全くない。母親と息子の泥仕合に、勝者などいないのだから!

自分は隣で高みの見物をしていればいい。

タブレットをスタンドに置き、朔は望の方を向いた。「あんた、また私の部屋に来たの?」

穂乃香が白状してからというもの、望がやけに自分に懐いてくるようになったことに朔は気づいていた。学校ではそうでもないが、家に帰るといつも望は彼女の部屋に入り浸っているのだ!

「自分の部屋にいてもつまらないんだ」

以前は家に帰ると、勉強を終えたら無邪気にゲームをしていたのに、今の望は急にゲームがつまらなくなったと感じていた。

「昨日...

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