第265章 団欒の食事

「どうしてこんなに痩せたの?」

 一回り小さくなった蓮の顔を見て、穂乃香は胸を痛めた。

「出張先の街の食事が口に合わなくて。こっちに戻って数日もすれば、また太りますよ」

 蓮がそう言ったのは母を安心させるためだ。実際は忙しくて食事をする時間もなく、暇ができてもパンを一口かじるだけで仕事に戻っていた。

 今回の出張はなかなかに骨の折れるもので、蓮は双方の引き継ぎを担当し、その間、常に資料の修正を迫られるだけでなく、ひっきりなしに電話をかけて最新の進捗を確認しなければならなかった……。

 幸いその努力は報われ、仕事は上々の出来栄えで、蓮の働きぶりは同僚たちからさらなる評価を得た。

 この突然やって...

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