第266章 タイムトラベル

朔はもたもたせず、部屋に入るなり第一声で問いかけた。

「穂乃香が母さんだって、とっくに知ってたの?」

「お前の前で母さんと呼んだが、まだ分かりにくかったか?」

 蓮はそう問い返し、ソファーに腰掛けたまま足を組み、楽な姿勢を探った。

 朔は言葉に詰まる。そんなこと思いもよらなかった。あの時の第一印象は、蓮が脅されているというものだったのだ。

「じゃあ、母さんが十五年も姿を消してたのは、どこに行ってたか知ってるの?」

 望もどこか座れる場所を見つけ、いつもはにこやかな顔に、今は珍しく真剣な表情を浮かべていた。

 蓮は望を一瞥すると、首を傾げ、顎に手を当てながら無造作に言った。

「飛行機でタイムスリ...

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