第273章 また私たちの分がない!

書斎のドアを固く閉めると、彰はデスクのパソコンへ向かい、とあるファイルをエクスポートした。

もともとは蓮にだけ送ったものだったが、落ち着きのない双子に目をやり、彼ら二人にも送っておいた。

「田中荷の背後にいるのは、おそらく温泉川家だろう」

荷が働いているバーは今も営業を続けている。表向きのオーナーは高田さんという人物だが、実際のオーナーは温泉川兆生の義理の弟だ。

当時、温泉川家がB市からすごすごと引き上げる際、その産業はすべて移転させていた。

彼らとて残りたかっただろうが、藤堂グループが虎視眈々と狙っている状況で、そんな勇気があろうはずもない。むしろ、まだ高く売れるうちに手放し、損失...

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