第277章俺は婿養子に入ることができる

朔の提案に、望は目を丸くした。

 どうして自ら死地に赴くような真似をする? 父親に殺されにに行くつもりか?

 二人が中学生になってからは、藤堂グループに一度も行ったことがない。幼い頃に行ったのも片手で数えるほどで、社内のレイアウトなど全く知らなかった。

 そもそも、彼らにとって藤堂グループに行く必要性がなかったのだ。何か用事があるわけでもなく、今となっては、何をしに行くのかすら望には思いつかなかった。

 朔はチッと舌打ちすると、望の耳元に寄り、自分の計画を囁いた。

 望の表情は、困惑から不可解へ、不可解から合点がいった顔へ、そして合点から確信へと変わり、最後には力強く頷いた。

 —...

ログインして続きを読む