第290章 彼らが何をしようとしているのか分かった

高坂夫人はどこか面白くなかった。自分はなかなか運の良い人生だと思っていたのだが。

夫は少し歳上だが思いやりがあり、普段から彼女の望みは何でも叶えてくれる。今年は、息子をもう一人産んでくれたら、将来会社はすべてその子に継がせるとまで言っていた。

だが、それは比べる相手がいないという前提での話だった!

自分の夫より金も権力もあり、おまけに容姿まで優れた彰を目の前にして、高坂夫人の顔に浮かんでいた優雅な笑みは少しこわばった。

視線を前に歩く二人に移す。

男の大きな手が女の腰を抱いている。スーツを着ていても、生地の下に隠された引き締まった筋肉のラインが窺える。

そして自分が腕を組んでいる夫...

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