第296章 私はあなたの前に立っている、以前と何分似ているか見てください

「これは何? 小槌? オークションでもやるわけ?」

 ホールの中央に椅子が並べられていくのを見て、朔は呆れ気味にツッコんだ。どうしてこう、次から次へと場面転換するのか。

 三杯目となる、強めのアルコールに見えて実は梨ジュースという代物を手にした朔は、少し面白いと感じながらグラスを揺らした。

 望は腹が空いたらしく、小さなケーキを手に食べながら、視線を左右に巡らせてから言った。

「みんなの注意はオークションに向いてる。桜井は絶対、姉さんを探しに来るよ!」

 そばにいた杏がそれに合わせて言う。

「さっき桜井からメッセージが来たわ。外のプールで気分が悪いふりをして、望お兄ちゃんを引き留めてほしいって...

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