第302章 今日早く家に帰る

蓮の真剣極まりない様子に、穂乃香は慌てて手にしていた企画書を置いた。最近、彼女はアニメ・映像産業基地の建設計画を練っているところだった。

息子が書斎に入ってきて、慎重にドアを閉めるその仕草を見て、穂乃香はより一層真剣な面持ちになった。

蓮が尋ねる。「母さん、今日の午後、もう一度腹を割って話すつもりでしょう? 朔と望は、母さんの言ってることを信じないと思う」

蓮は、今夜の穂乃香と朔と望の話し合いが、梨沙の問題だけでなく、十五年間失踪していた件についても改めて真剣に説明する場になることを見抜いていた。

母があの二人の態度に傷つけられるのを避けるため、蓮は前もって釘を刺しに来たのだ。

「正...

ログインして続きを読む