第326章 リアリティーショー

「雲くんの具合はどう? お父さんが向こうと連絡をつけてくれたから、いつでも転院できるわよ」

 穂乃香は歩み寄って朔の手を取ると、娘をソファーへと座らせた。その手があまりに冷たいことに気づき、彼女は立ち上がってお湯を注ぎ、温かいカップを朔の手に握らせる。

 倒れる直前に感情を爆発させたのを除けば、その後の朔は驚くほど冷静だった。

「怖かったでしょう? 大丈夫、大丈夫よ。よしよし」

 穂乃香は朔の髪を撫でながら、幼子にするように優しくあやす。責めることも、問い詰めることもしない。ネット上がどれほど荒れ狂っていようと関係ない。彼女にとって大切なのは、娘が無事であること、ただそれだけだった。

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