第371章 来ないわけにはいかない!

坂東家は最近、浮き足立っている。なんと、坂東の御大が海龍市の中心街にあるビルを一棟売り払ったからだ。

本土市場への本格参入、そして直面している事態への対処。そのためには、潤沢な資金が必要だった。

時代の波に揉まれ、「船王」の威光は過去のものとなった。だが、腐っても坂東家だ。その資産規模は依然として巨大である。ただ、その多くが換金しにくい固定資産であることが難点だった。

売却されたこのビルも、近年の不動産不況のあおりを受け、年々評価額を下げていた。坂東家は売り急ぐあまり、市場の底値をさらに下回る価格で手放したという。

私有財産を切り売りする御大の振る舞いに、坂東家の人々の思惑は交錯し、内...

ログインして続きを読む