第385章 隙!

その情報はデマではなかった。確かに泣いていたのだ。社員に涙を見られたのは他でもない、富安である。

「誰に言われて本社へ説明を求めに来たのですか?」

穂乃香は単刀直入に切り出した。富安はしらを切り、藤堂グループを心配して自発的に来ただけだと主張する。やましい気持ちなど微塵もない、と。

だが、否定すればするほど墓穴を掘る。

言い訳なら言い訳だけしていればいいものを、「悪気はない」などと蛇足を付け加えるから、かえって下心が見え見えになるのだ。

他の株主たちは頭を抱えたくなった。

しかし、問い詰めているのは藤堂社長夫人だ。彼らが口を挟んで火の粉を浴びるわけにはいかない。

藤堂社長夫人の眼...

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