第41章 報告!事があって奏上します!

執事が桜井の母に難癖をつけた一件について、藤堂朔は腹を立てていなかった。むしろ、内心では少しばかり喜んでいた。

——藤堂家は彼女を無視しているわけではない。

もし桜井の母が終始完璧に演じきり、藤堂朔の心の中で善人であり続けたなら、彼女は一緒になって憤慨し、家が人をいじめていると感じたことだろう。

しかし、藤堂朔はすでに桜井の母という人間を見抜いていた。相手がベッドに横たわり、苦しそうに呻く芝居をしているのを見ると、ただ滑稽に思えるだけだった。

「旬くん、お母さん、胸が苦しいのよ。あいつらが私を見下すのは構わないけど、あなたがこの先、辛い目に遭うんじゃないかって……」

ベッド...

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