第47章 私は誰に見える?

葛城美華は苛立っていた。苛立たしくて、苛立たしくて、たまらない。

最近、彼女の身の回りでは何一つ順調なことがなかった!

桜井旬からの藤堂朔の行方を尋ねる電話を切ると、彼女の顔色はインクよりも黒くなった。目の前にいたはずの人間がいなくなって、自分に聞いたところで何になるというのだ!

自分の前では自信満々で、藤堂朔を完全に掌握しているかのような態度を見せていたくせに、いざいなくなったら気づきもしないなんて!

葛城美華は、数日前の自分はどうかしていたのだと思った。半生も生きてきて、まさか高校生の戯言を信じ、相手に協力して事を進めるなんて!

目下、仕事が絶望的にうまくいっていない葛城美華は、...

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