第48章 息子を選ぶか、それとも私を選ぶか?

「小学生の時、あなたは母に手紙を書いたわね。見舞いを装って、実際は自分の苦労話を訴えていた。母から金銭的な援助を受けても満足せず、今度は母の娘になりたがった。でも、母には自分の娘がいるのに、どうして他人の家の娘が必要なの?私があなたの邪魔になっている、私がいない方がいい、消えてほしい、と。それがずっとあなたの本心だったんでしょう?」

まるで物語を語るかのように、小林穂乃香が紡ぐ言葉。その内容が明かす情報は、誰が聞いても荒唐無稽だと言うだろう。

葛城美華は、正真正銘の恩知らずだ!

これらの事実は小林穂乃香だけが知っているはず。ならば、目の前のこの人物は……。

「う、ありえない!」

せっ...

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