第55章 あなたを片付ける一万の方法

「施設の消防設備は合格していますか? 手続きは全て整っていますか?」小林穂乃香は施設の責任者を睨みつけ、すぐに視線を木下校長へと移した。「教師の資格は、全員問題ありませんか?」

「施設全体の食堂には、食品安全に関する疑いがありますが……」

およそ十分ほどで、小林穂乃香は施設全体の上から下まで、問題がありそうな箇所を全て指摘し尽くした。

それを最後まで聞いていたのは、施設の責任者や木下校長だけではない。機材を構えて録画していた警察官までもが、思わず冷や汗をかいていた。

一体なぜ彼女を怒らせたんだ! この女性は明らかに法律に精通している! おそらく法学部の学生だろう!

警察官は静かに制服...

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