第85章 柔らかい柿を選ぶ

小林穂乃香は三人の子供たちを連れ、道中ずっと楽しそうな笑い声に包まれていた。

藤堂朔と望は、ネット上の世論がいかにして反転したかを目の当たりにした。その一つ一つの展開は、小林穂乃香が語った計画と寸分違わぬものだった！

その絶体絶命からの逆転劇がもたらす爽快感に、望の心は歓喜に沸いた。これほどまでに晴れやかな気分になるのは、これまで運動で汗を流した時くらいだ！　体の内側から外側まで、すっきりとした心地よさが広がっていく！

彼は突如として、謀略の魅力に気づいてしまったかのようだった。帰り道、興奮した彼はまるで小さなラッパのように、ネット上の状況をリアルタイムで実況し続けた。

姉弟は息を合わ...