第92章 小林穂乃香が大分に上る

電話を切る前、小林穂乃香は自分の言葉のせいで藤堂彰の呼吸が少し荒くなったのをはっきりと感じ取った。

以前、藤堂彰が吉野佳芳のことなど気にするなと彼女に言ったように、今度は彼女が同じ言葉で、自分が雇ったイケメンアシスタントのことなど気にするなと藤堂彰に言ってやれるのだ!

藤堂彰を手懐け、躾けることにかけては、小林穂乃香はいくらでも手段があった。

彼女は古屋莉々という人物を忘れてはいなかった。吉野佳芳の態度からして、古屋莉々が吉野佳芳に散々苦い思いをさせてきたことが見て取れる。

小林穂乃香に言わせれば、相手が藤堂彰の威を借りている以上、藤odo彰がそれを知っていようがいまいが、その責任は当...

ログインして続きを読む