第8章
バァンッ!
俺は震える足で白浜ヶ丘の邸宅のドアを蹴り開け、リビングへと雪崩れ込んだ。記念室にあった玲子の手紙、その一言一句が刃物のように俺の心を切り裂く『あなたの誕生日は、捨てられた証拠じゃない。愛された証拠よ』。
「ちくしょうっ!」俺はリモコンを掴み、壁に叩きつけた。テレビの画面が、ぱっと点灯する。
『速報です!ハッシュタグ#正義を玲子にが五千万件の議論を呼び、世界のトレンドチャートで一位に!』
ニュースキャスターの声は、まるで死刑宣告のように冷たかった。『山崎隆司氏の事件は、今年最大のエンターテインメントスキャンダルとなりました。複数のアーティストが彼の行動を公に非難してい...
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チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章
6. 第6章
7. 第7章
8. 第8章
9. 第9章
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