第16章
夜も更け、館の中は急激に冷え込み、まるで一瞬にして真冬に逆戻りしたかのようだった。
私は身支度を済ませ、明朝の「クランクアップ」を待つために自室へ戻ろうとした。その時、主寝室の前を通りかかると、ドアが半開きになっており、そこから歯の根も合わないほどの凄まじい冷気が漏れ出しているのに気づいた。
時田涼はまだ起きていた。
彼は明かりもつけず、ベッドの端に腰掛けている。
窓から差し込む月明かりを頼りに目を凝らすと、剥き出しになった上半身には薄っすらと黒い霜が降りており、その眉間には拭い去れない苦痛が滲んでいた。
そこで私は思い出した。時田涼は言っていた。今夜が彼の命日だと。
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