第104章 最大の弱み

「本当に、瀬尾杏奈にバレないのか?」

瀬尾杏奈は若手の中でも頭ひとつ抜けた存在で、仕事ぶりも抜群だ。

千野取締役は気にも留めずに言った。

「林田取締役、ご安心ください。この件を瀬尾杏奈が知ることは、絶対にありません」

自信満々だった。

だが林田取締役は、用心に越したことはないとばかりに釘を刺す。

「いいか。痕跡は一切残すな。瀬尾杏奈に、俺たちが裏で動いたと悟られたら終わりだ」

そう言うと林田取締役は引き出しからカードを一枚取り出し、千野取締役の前へ差し出した。

「このところよく動いてくれた。これはお前に」

カードを見た瞬間、千野取締役の顔がぱっと明るくなる。会員制高級クラブ...

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