第110章 疑わしい 153

瀬尾南は、ふっと息を詰めた。――今、何を聞かされた?

この男、まさかこの状況すら「自分の気を引くため」だと思っているのか。

日向翔、どこからその自信が湧く。

いや、自信というより……ただの自己陶酔?

瀬尾南が黙っているのを、日向翔は「当たり」だと勘違いしたらしい。表情に、ちょっとした得意げが滲む。

「まあ、俺がモテるのは自覚あるけどさ。まさかここまでとは……」

彼は、瀬尾南の目に宿る殺気が濃くなっていくのに、まるで気づかない。

「俺のこと好きって言われても、別に驚かないし――」

言い終える前に、病室に悲鳴が響いた。

瀬尾南はもう限界だった。

躊躇なく、日向翔の尻に一発。

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