第125章 車内の雰囲気

「その人に会いたいなら、ちゃんとした陶器の壺を作らなきゃいけない」

陸川純平は表情ひとつ変えずに言った。

瀬尾杏奈は腑に落ちた。陸川純平にとって「大事な人」とは、きっと陶芸に興味があって、普段はなかなか会えない相手なのだろう。あるいは、この場所でしか会えない人。

瀬尾杏奈が陸川純平の土を捏ねる姿を見るのは初めてだった。何をするにも真剣な人だ。手がゆっくりと土の上を回り、びしゃりと跳ねた泥が頬に当たる。整った顔が、あっという間に何か所も汚れてしまった。

瀬尾杏奈はハンカチを取り出し、そっと拭いてやる。隣に座り、黙って見守った。

「まあ……あなたたち、見てるだけで仲が良さそうね」

不...

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