第13章 奪われたブレスレット

電話の主は、ほかでもない古谷真紀だった。

三か月前、古谷真紀は心臓バイパス手術を受け、身の回りには昼も夜も誰かがついていなければならなかった。

そのとき、寝ずに付き添い、あれこれ走り回って世話をしたのは彼女――瀬尾杏奈だ。

けれどあの日。書斎のドアの前で、瀬尾杏奈ははっきり聞いてしまった。

自分と水野心音の間で、古谷真紀は「どちらを選ぶか」迷っていた。

――心から尽くした三か月は、犬にでもくれてやったのと同じ。

着信音がやたら耳に障り、頭が痛くなる。瀬尾杏奈は反射的にマナーモードへ切り替えた。

陸川純平が彼女をマンションの下まで送ってくれたあとも、彼は彼女の表情が淡いことに気づ...

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