第133章 身分照合

瀬尾杏奈は病院を離れなかった。廊下の外に張りつき、ひたすら様子をうかがう。

ほどなくして、病室から人が出入りする「癖」に気づいた。ひとりが出た直後、間髪入れずに別のひとりが入ってくる。

その間、病室のドアはきっちり閉められたまま。

つまり、女優は外へ出られない。次の付き添いが入るまで、完全に遮断されている。

――なら、その一瞬の空白を使う。

交代要員が来たところを、瀬尾南に足止めさせればいい。

翌日。

瀬尾杏奈と瀬尾南は時間どおり病院へ来た。杏奈は廊下で待機し、南は予定どおり病院の外で張る。

昨日の観察で、女優につくのは固定の二人だとわかっていた。

交代のタイミング。

瀬...

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