第137章 本性を見極める

それを聞いた長井春芳は、わずかに目を見開いた。

「……何を言ってるの?」

瀬尾杏奈は、長井春芳の気持ちが少し落ち着いたのを見て、ゆっくりと言葉を選ぶ。

「証明できます。あのとき長井おじい様をはねた車は、絶対に――うちの祖父の仕業じゃありません」

長井春芳は一瞬、意識が遠のぐような感覚に襲われた。だが次の瞬間、何かを思い出したように身を引き、警戒する。

「瀬尾グループは手が回りすぎる。偽装しようと思えば、できないことなんてないでしょう」

浅川有香の立場を思えば、そういう発想に行き着くのも無理はない。杏奈は胸の奥で小さく息を吐いた。――やはり、そこに結びつく。

来る前から、覚悟はし...

ログインして続きを読む