第17章 少しでも良いところを見せよう

ちょうどそのとき、チンピラの一人が木の棒を振りかざし、陸川純平の背後へ回り込んだ。油断した隙を狙い、後頭部めがけて容赦なく振り下ろす。

速い。重い。——殺す気だ。

車内の瀬尾杏奈はそれを見た瞬間、もう何も考えられなかった。勢いよくドアを押し開け、叫ぶ。

「後ろ! 後ろ!!」

陸川純平の反応は早かった。寸前で身を翻し、木の棒は空を切る。

すると金髪のチンピラが、車から飛び出した瀬尾杏奈を見て、口元を歪めた。陰湿な笑み。

指を鳴らすように合図すると、子分たちが一斉に瀬尾杏奈へ突っ込んでいく。

陸川純平がどれだけ強くても、絡みつかれたこの状況で彼女まで守り切れるはずがない。

——だ...

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