第41章 恋人の仲違い

銀行や取引先の人間の目を逃れるため、古谷晏一はかつて瀬尾杏奈との新居にするつもりで買った別荘へ身を潜めていた。今の彼は髪も乱れ、スーツはしわだらけ。かつての覇気など見る影もなく、まるで追い詰められた負け犬だった。

画面の向こうでは、陸川純平が海外グループ企業の社長と契約締結のセレモニーを終え、その視線を隣の瀬尾杏奈へと向けていた。眼差しに滲む想いは、隠しようもないほど濃い。

しかも陸川純平は、その海外グループ企業の社長の前で、瀬尾杏奈を自分の婚約者だと紹介した。

古谷晏一の脳裏に、昔の瀬尾杏奈の姿がよみがえる。

どんなときも離れず、彼のために誇りさえ捨てて、古谷グループで黙々と尽くし...

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