第42章 古谷真紀が跪いて懇願する

さっきまで古谷晏一に見せていた、あの甘ったるい態度はどこにもなかった。

古谷晏一は奥歯を噛みしめ、胸を激しく上下させる。

「昔はって……昔の俺と今の俺が同じだと思うのか? 今の俺がどんな状況か、わからないのかよ! ネットを開けば、俺の悪評ばかりだ。見えてないわけじゃないだろ!」

古谷晏一は、せめて少しくらいは水野心音が情けを見せると思っていた。だが返ってきたのは、容赦ない嘲りだった。

「見えてるわよ。でも、それが何? あなたの問題でしょう。私に関係ある?」

水野心音の声は、受話器の向こうでひややかに響いた。

その瞬間、古谷晏一の全身から血の気が引いた。

――私に関係ある?

そ...

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