第43章 金を借りて辱めを受ける

「はいっ!」

そう返事を落とすと、瀬尾杏奈は古谷真紀に二度と視線をくれることもなく、振り返りもせず立ち去った。

古谷真紀は転がるように起き上がり、追いすがろうとした。だが駆け寄ってきた警備員が左右から肩を押さえ、がっちりと動きを封じる。

「杏奈、そんなに薄情しないで! 杏奈、瀬尾杏奈……!」

背後で喉を裂くような叫びが響く。けれど杏奈の胸は、波ひとつ立たない。声は次第に遠ざかっていった。

それから数日。

古谷真紀は正気を失ったみたいに、瀬尾グループ本社の前へ何度も現れた。ビルの入口で膝をつき、通行人の視線もスマホのカメラも気にせず、涙と鼻水を垂らして喚き散らす。

瀬尾杏奈に会わ...

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