第44章 双方の争い

林田莉々は言い終えるや否や、わざと力任せにぐいっと引っ張った。

不意を突かれた水野心音はよろめき、背中を隣のテーブルにしたたかにぶつける。

ガン——

鈍い衝撃音と同時に、テーブルのコーヒーカップが床へ落ちた。

心音が状況を飲み込む前に、頭のてっぺんに生温かい感触が広がった。濃い褐色の液体が髪を伝ってざあっと流れ落ち、高価なワンピースは一瞬で台無しになる。

ざわ……と、周囲が囁き合い始めた。

向けられる視線は、まるで負け犬でも眺めるみたいで。

屈辱が胸の内で一気に膨れ上がる。

林田莉々は顎を得意げに持ち上げ、楽しそうに言い放った。

「ははは! 水野心音、見てよそのザマ。コーヒ...

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