第45章 金井昭彦に近づく

瀬尾杏奈は顔を上げ、瀬尾南を見た。きょとんとした表情で首を傾げる。

「……まだ何かあるの?」

瀬尾南はスケジュール表を手に取り、午後の欄を指でとん、と叩いた。

そこでようやく杏奈は思い出す。午後は陸川純平と会う約束が入っていたのだ。南は、時間をすっぽかさないか心配してくれたらしい。

二人の交際はネット中が注目している。結果的に、互いの所属グループにとってもこれ以上ない宣伝になる。

一方――。

水野心音はブランド物のバッグを抱え、中古買取の店へ向かった。二十万もした品なのに、提示されたのは三割程度。しかも「状態が」「流行が」「手数料が」と、もっともらしい理由で値を叩く。

当然、心...

ログインして続きを読む