第53章 実の娘が現れる

水野心音の言葉を聞くと、水野綾香の表情はわずかに和らいだものの、なお疑いは消えない。

「どういう意味?」

その隙を逃さず、水野心音は水野奈津の隣へすっと腰を下ろし、取り入るように笑った。

「おばあちゃん、さっきお母さんと瀬尾杏奈のことを話してたんでしょう?」

水野綾香も水野奈津も、否定しなかった。

「お母さん、おばあちゃん。水野家がこんな有様になったのは、全部あの瀬尾杏奈が、自分は瀬尾家のお嬢様だって立場を笠に着て、わざと仕返ししてきたせいよ」

水野心音は二人の憎悪を煽るように、わざと頼りなげな顔を作る。

「そうじゃなきゃ、うちだって大事な方を守るために切り捨てなんてしてないし...

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