第54章 瀬尾晴海の態度

水野奈津は水野心音に目配せした。すると心音は「どさっ」と床に膝をつき、今にも泣き出しそうな顔で言う。

「……お母さん、ただいま」

心音が状況を飲み込むより早く、玄関のチャイムが鳴った。

使用人が扉を開けると、瀬尾杏奈と陸川純平が入ってくる。

瀬尾杏奈の姿を見た瞬間、水野奈津はソファから立ち上がり、よろよろと歩み寄って杏奈の手を震える指で握りしめた。たちまち目に涙を溜め、声を震わせる。

「この子……私の、孫……。やっと……やっと会えた……!」

杏奈は反射的に一歩引いた。

その仕草に、水野奈津は胸を刺されたような顔をして、ぽつりとこぼす。

「そうよね……認めたくないわよね。全部、...

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