第56章 陰謀が企てられている

まさに、椅子に座っていただけで鍋が降ってくる、ってやつだ。

瀬尾杏奈は呆れたように笑った。

「自分で転んだくせに、私のせいにしないで」

水野心音は床から起き上がる。涙で視界が滲んだまま、震える声で言った。

「杏奈お姉ちゃん……私、杏奈お姉ちゃんが私のこと好きじゃないの、わかってる。もし私のどこかが気に入らないなら言って。直すから。でも、こんなことしないで……それ、私が朝早く起きてお母さんに食べさせようと思って作った朝ごはんだったの……」

言い終わる前に、ぽたぽたと大粒の涙が頬を伝い落ちた。

瀬尾杏奈は悟った。これが水野心音の「芝居」だ。最初から、ここで自分を待っていた。

狙いは...

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