第93章 工事現場殺人事件

草津大和が弱々しく言った。

「瀬尾さん、1か月はさすがに無茶じゃないですか? ここの工事現場、うちのほうじゃ悪い意味で有名で……細かい不具合が次から次へと出るって」

悪い意味で有名。

瀬尾杏奈は、その言い回しに引っかかった。

長井徹が草津大和を一瞥すると、草津はそれ以上口をつぐむ。

それでも杏奈は譲らない。

「1か月で必ず立て直します。お二人とも、期日にぜひ検査にいらしてください」

長井徹は、目の前の小娘にわずかな感心を覚えたのか、立ち上がって手を差し出した。

「じゃあ、1か月で片をつけてくれ。期待してる」

瀬尾杏奈は小さくうなずき、笑みを添える。

「ありがたいお言葉です...

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