第94章 悪意の爆弾

瀬尾杏奈はすぐさま様子を見に行った。すると、社員たちが身を寄せ合って固まり、少し先の机の上に置かれた箱を指さしながら、顔面蒼白で叫んでいる。

「ば、爆弾だ!」

杏奈の顔から血の気が引いた。首だけぎこちなく回して目を凝らすと、箱の中には――確かに爆弾らしきものがあり、しかもタイマーまで付いていた。

秒針のカチ、カチ、という音が、まるで喉元に縄を食い込ませるみたいに迫ってくる。息ができない。背筋が凍る。

オフィスは一瞬で阿鼻叫喚になった。

そのとき、杏奈の中のどこかがぷつりと切れたのかもしれない。次の瞬間、彼女は一直線に机へ駆け寄り、箱を掴むとそのまま外へ飛び出した。

一気に建物の外...

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