第99章 海外の危機

あたりは真っ暗で、車体が絶えず揺れている。

瀬尾杏奈は、全身が激しく放り回されているように感じた。

さっきまで三人一緒に閉じ込められていたのに、突然、誰かが飛び込んできて口を塞いだ。押しつけられた布切れには明らかに薬が染み込んでいて、鼻を刺す臭いが鼻腔へ流れ込んだ瞬間、意識がぷつりと途切れた。

いま、瀬尾杏奈は手足を縛られ、目には黒い布を巻かれている。どこにいるのかはわからない。けれど、車に乗せられていることだけは、揺れで嫌というほど伝わってきた。

「こいつら、身分がただもんじゃねえぞ。古谷家の若様、海外に売り飛ばすつもりらしい。ずいぶんデカいことやるよな」

運転席の男が、気軽な調...

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