59話

私たちは南東に向かって道を進み、巨大な湖のほとりにあるこのキャンプ場へと向かう。学院にあった湖の三倍か四倍はあるだろう。丘を登りきって湖が見えた瞬間、思わず息を呑んだ。

キャンプには百人以上の生徒が参加しており、それぞれが異なる情熱や専門を持っている。ハープを専攻している私は、ベッキー(うげっ)と、ザックを知っているというコヴェントリー校からの女の子と組まされ、リジーとザイドがいる湖の反対側のキャビンに割り当てられた。二人ともピアノに集中するためにここに来ているのだ。

ザイドは別れ際に私の頬にキスをし、お尻を軽く叩いてから草原を横切って行った。私は中指を立ててやった。リジーは湖の向こう側で...

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