第109話新しい発見

キリアンの今の状態は、正直よくなかった――ひどく痛めつけられていると言ってもいい。

顔は真っ黒な煤に覆われていた。煙と炎をくぐり抜けたのが一目でわかる。

子どもたちも同じように全身が汚れていたが、不思議なほど傷ひとつない。

それを見て、レナは、父親が必死に守り抜いたのだと悟った。

彼女は一歩近づき、キリアンの頬にそっと触れた。

「……疲れたでしょう?」

「大丈夫だ」

彼は外で見せる獰猛さとはまるで別人だった。レナの前では、肩の力が抜けている。キリアンは彼女の手を取り、その甲にやさしく口づけた。

「どっちにしたって、こうして無事に戻れた。それだけでいいだろ?」

その楽観に、レナ...

ログインして続きを読む