第44章エセアの正体

「いいわ、言えばいい。私はここにいるから」レナの声は落ち着いていて、どこか澄み切ってさえいた。椅子を引き寄せて腰を下ろすその所作は、周囲の張りつめた空気とあまりにも対照的だった。

「ヴォスさん、どうしてそこまでするんです。素直に自分が悪かったと認めれば、保護者の方々も大ごとにはしませんよ」エテアは切実に懇願した。

ゾーイは状況が怖くてたまらず、頭をいっそう低くうずめた。リアムのシャツをきつく握りしめ、長いまつげがこぼれ落ちない涙に小刻みに震えている。

唇だけがかすかに動いたが、押し寄せる恐怖が声を奪い、音にならなかった。

レナはゾーイの怯えきった顔を見つめ、喉の奥に苦いものが刺さるよう...

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