第49章ターモイル

キリアンの表情が、ゆっくりと陰っていった。

彼の視線が室内をなぞり、黙り込む親たちを見渡したあと、ふたたびレナへ戻る。

その声色は、読み取りにくかった。

「続けろ」

皆の意識がキリアンに向いているあいだに、ジョニーの母親がそっと教室を抜け出した。

廊下の角に身を潜め、携帯電話を取り出すと、遠目からキリアンの写真をさっと撮った。

【私、どこにいると思う?】得意げな顔文字を添えて送る。【あの女が慰謝料の話をしに学校まで来たのに、うまくいってないのよ。ソーンさんに頼んで、私たちの正義を取り戻してもらおうかしら?】

そのころセラフィナは、男の腕の中でだらりとくつろぎながら、買い物アプリを...

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