第65章トラッキング

レナは、遠ざかっていく人影――まるでパーティーを抜け出すかのように歩き去るその背中を見つめ、顔をこわばらせた。

これ以上待ってはいられない。このままでは、彼を見失ってしまう。

少しの逡巡ののち、レナは小さくうなずいた。

「気をつけて」彼女は二人の子どもに、声にせず口だけで伝える。

ジェイドがうなずき返した。

言葉など要らなかった。幾日も幾夜も共に過ごしてきた彼らの絆は、そんなものでは揺らがない。

血のつながりは、深い。

ジェイドはリアムの手をつかむと、瞬く間に人混みへと紛れ込んだ。

小柄な体格と身軽さで、二人は客たちの間をするすると縫うように進み、人影へと向かう。

男は黒いコ...

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