第80章両方公開

深夜、港に近い古い倉庫街――

二つの影が通り過ぎた。

「待て」誰かが二人の前に立ちはだかり、訝しげに値踏みするような視線を向けた。「お前ら、何者だ。ここで何をしている?」

前に出た背の高い痩せた男が、いかにもな笑みを浮かべる。「美術品の修復の件でね。作業員証なら、ほら、ここに」

警備員は身分証を受け取り、念入りに目を通す。視線は終始、二人から離れない。

不備がないことを確認すると、警備員は身分証を返し、脇へ退いた。

「うろつくな。用が済んだらさっさと出ろ。ここは屯する場所じゃない」

「へいへい、わかってますって」背の高い男は素早く答え、後ろの人物を連れて中へ入った。

人目の少な...

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